フカセ釣りの仕掛けの一つである「全遊動仕掛け」について解説します。
近年、多くの名手達が使っており大会などで多くの実績を残している仕掛けです。
- 全遊動仕掛けとは?
- 全遊動仕掛けのメカニズム
- 全遊動仕掛けのメリットとデメリット
昨今のフカセ釣りにおいて全遊動仕掛け抜きでは語れないほど多くの釣り人が愛用しています。
覚えておくべき仕掛けの一つと言えます。

【全遊動仕掛けとは?】ウキ止め糸を使わない仕掛け
全遊動仕掛けは「ウキ止め糸を使わずに全てのタナを探ることができる仕掛け」です。
基本的な仕掛けはこんな感じです。
- 道糸
- ウキ
- からまん棒(ウキストッパー)
- 結束部(直結orサルカン)
- ハリス
- ハリ

半遊動仕掛けとの大きな違いは「ウキ止め糸」と「シモリ玉」がないことです。
この2つのないことで理論上、仕掛けを海底まで落として探ることができます。

【全遊動仕掛けのメカニズム】
全遊動仕掛けのメカニズム、馴染み方をイラスト付きで解説します。
風、波、潮などの影響は考慮しないものとします。
実際にはこれらの自然現象が影響するのでオモリを打つなど仕掛けを調整していきます。
仕掛けをキャストするとハリスを中心にジワジワと沈んでいきます。

ハリスが沈んでいき上手くラインを送ることができれば仕掛けが立ちます。

仕掛けが立ち馴染み出したところからラインを送っていきます。
ウキ止め糸など仕掛けを止めるものがないので理論上、海面から海底まで探ることができます。

【全遊動仕掛けのメリット・デメリット】
全遊動仕掛けのメリット、デメリットをまとめます。
全遊動仕掛けのメリット | 全遊動仕掛けのデメリット |
---|---|
幅広くタナを探ることができる 抵抗が少なく魚へ与える違和感が少ない 撒きエサと同調させやすい | 狙っているタナが分かりづらい 風、波の影響を受けやすい ラインメンディングが難しい |
全遊動仕掛けのメリット
- 幅広くタナを探ることができる
ウキ止め糸でタナを決めずに仕掛けを入れていくので、効率良く探ることができる。 - 抵抗が少なく魚へ与える違和感が少ない
魚が刺しエサを喰和えた時にウキ止め糸で止まらないので違和感が少ない。 - 撒きエサと同調させやすい
基本的に軽い仕掛けなので刺しエサを撒きエサと同じ動きで同調させやすい。
「仕掛けが軽い」ことによるメリットが全遊動の最大の特徴です。
食い渋り、低活性時、スレたグレを狙うなら半遊動より有利とされています。
トーナメンターで使い手が多い理由もこのことから来ています。
全遊動仕掛けのデメリット
- 狙っているタナが分かりづらい
仕掛けがどんどん入ります。なので、釣れたタナが分かりづらいです。 - 風、波の影響を受けやすい
仕掛けが軽いので外的要因を受けやすいです。 - ラインメンディングが難しい
仕掛けを置く位置、道糸の管理ができないと仕掛けを馴染ませることができません。
【フカセ釣り・全遊動仕掛けの解説】まとめ
ウキフカセ釣りの仕掛けの一つ「全遊動仕掛け」を解説しました。
ウキ止め糸を使わずに全てのタナを探ることができる仕掛け
- キャスト後、ハリスを中心に沈み始める
- 仕掛けが立つ
- ラインをどんどん送り全層、探っていく
- 幅広くタナを探ることができる
- 抵抗が少なく魚へ与える違和感が少ない
- 撒きエサと同調さやすい
- 狙っているタナが分かりづらい
- 風、波の影響を受けやすい
- ラインメンディングが難しい
ウキフカセ釣りには様々な仕掛けがあります。
今回、紹介したのは全遊動仕掛けの中でも基本になると思います。
この基本の仕掛けをベースに派生型があります。
まずは基本を理解することで応用に繋げることができると思います。
この記事で全遊動仕掛けへの理解が深まれば嬉しいです。



切上げのよい人は釣り時を知る。”もー一ぴき・・・”は暇つぶし。 by 上田尚(日本・作家)
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