【釣りバリ】 歴史・基礎知識・種類の解説

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釣り人が必ず使う道具といえばロッド、リール、ライン、などたくさんあります。

その中でも唯一、魚との接点となる道具が「釣りバリ」です。

小さなパーツではありますが釣りバリなくしては釣りそのものもが成立しません。

今回は”釣りバリ講座”ということで釣りバリについて解説していきます。

  • 歴史
  • 各部の名称などの基礎知識
  • 種類の解説

を解説していきます。

普段何気なく使っている釣りバリの理解を深めて釣りをさらに楽しいものにしましょう!

今回は「釣りバリのひみつ」という本を参照にしています。
興味がある方はぜひ読んでみてください。

目次

【釣りバリ 起源と歴史】 後期旧石器時代が起源

出典:日本経済新聞・世界最古とされる釣りバリ

釣り針の歴史は古く考古学の研究によると後期旧石器時代(約3.5万年〜1.2万年前)頃が起源とされています。

現在のウクライナからは”動物の骨”を加工したもの、東ティモールの遺跡から発掘された”貝製”のハリが出土されています。

日本では沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で世界最古(約2万3千年前)となる貝を加工した釣りバリが発掘されて話題になりました。
巻き貝製のハリで旧石器時代の漁労具は国内でも初の発見。

起源と歴史 ポイント
  1. 起源:考古学によると”後期旧石器時代”
  2. ウクライナから動物の骨を加工したもの、東ティモールから貝製のハリが出土
  3. 沖縄県で世界最古の釣りバリが発見

【素材】 釣り針は素材の変化の歴史

釣りバリは時代と共に”素材”が変化していきます。

  1. 動物の骨や貝を加工したもの(石器時代)
  2. 青銅(青銅器時代)
  3. 鉄製(鉄器時代)
  4. 炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼(現代)

時代の技術の進歩によって使われる素材が変わっていきました。

そして近現代では素材や加工技術の進歩によって釣りバリの性能、種類が飛躍的に向上していきます。

【日本での歴史】 江戸時代に確立された

釣りが日本で趣味として広く根付いたのは江戸時代と言われています

最初は武士の間で広がっていきましたがその後、庶民にも趣味として広がっていき楽しまれるようになりました。

明治時代中期になると関東で作られていた「江戸型」と関西の「播州バリ」の主に2種類の”鉄バリ”が作られるようになりました。

それぞれ形によって種類があります。たくさんあるのでざっと紹介します。

江戸型
  • 角形
  • 丸形
  • 鎧形
  • 狐形
  • 袖形
  • 行田形
  • ミコシ形
  • イナヅマ
  • カキダシ
  • 田邊形
  • 角カイヅ
  • 丸カイヅ
  • 置鉤
播州バリ
  • アマ形
  • イセアマ形
  • イソアマ形
  • アチビ形
  • ワサナベ形
  • ハヘコミ形
  • ミコシ形
  • シツリ形
  • ヒキ形
  • 郡山形
  • イナヅマ形
  • エド形
  • 海鰻釣カケマヘ
  • 海鰻釣カケヅリ

現代の釣りバリの「伊勢尼型」「袖型」「キツネ型」の3種類ありますが江戸、明治の時代にすでにその原型ができていました。

現在の数多くある釣りバリのがこの3種類の形がベースとなって作られています。

【現在の主な生産地】 兵庫県西脇市に集中している

現在、釣りバリメーカーは兵庫県西脇市などの”播州”に多く集中しています。

その理由は平安時代に京都貴族の指示で縫い針の生産を始めたことに由来するようです。

また江戸時代には行商人たちが釣りバリを仕入れたなどがあるようです。

平安時代からの縫い針の生産技術、江戸時代からの行商人たちの活躍が播州地方が釣りバリ製造の中心地になった背景となります。

釣りバリ 日本での歴史
  • 釣りが趣味として庶民の間に広がったのは江戸時代
  • 明治時代に作られた釣りバリは関東での「江戸型」関西での「播州バリ」である2種類の鉄バリがメイン
  • 現在の釣りバリ生産の中心地は兵庫県西脇市などの”播州地方”

【釣りバリ 基礎知識】 釣りバリの各部の名称

ここからは基礎知識として釣りバリの各部の名称を解説していきます。

覚えておけばその釣りバリの特徴や釣具店で店員さんとの会話にも役に立つかもしれませんので知っておいて損はないと思います。

  • 日本でよく使われているエサバリ
  • 西洋バリと呼ばれるルアー&フライフック

の2種類について解説します。

【エサバリ】 日本でよく使われるハリ

まずは和製の一般的なエサ釣り用のハリから解説します。

日本で1番馴染みのある釣りバリにだと思います。

エサバリの各部の名称

【エサバリ タタキ(耳)】 ハリの1番根本

ハリの1番根本に当た平らな部分を「タタキ」または「耳」と呼ばれます。

ハリスを巻いた時に抜けを防止する役割があります。

一般的にタタキの太さは軸の太さの約2倍に設定されていることが多いです。

【エサバリ チモト】 ハリスを巻く部分

耳のすぐ下のハリスを巻く部分が「チモト」と呼ばれる部分です。

【エサバリ 軸】 真っ直ぐな部分

チモト下からカーブを始まるまでの直線を「軸」と言います。

【エサバリ 腰曲がり】 最初にカーブを描く部分

軸から続く最初にカーブを描く部分が「腰曲がり」と言います。

【エサバリ 先曲がり】 腰曲がりからカエシまでの部分

腰曲がりから続くカエシの下までの部分を「先曲がり」と言います。

先ほどの「腰曲がり」と「先曲がり」を合わせて「曲げ」と言います。

【エサバリ カエシ】 

「カエシ」は一度刺さったら抜けないようにする役割になります。

【エサバリ ハリ先】 鋭く尖った1番先端

鋭く尖った一番の先端部分のことを「ハリ先」と言います。

ハリ先の鋭さを「尖頭倍率」という数値で表します。

【エサバリ フトコロ】 ハリ先と軸を結んだラインの下全体

ハリ先と軸を結んだラインから下全体のことを「フトコロ」

【エサバリ フトコロ幅】 ハリ先から軸までの長さ

ハリ先から軸までの長さを「フトコロ幅」と言います。

【エサバリ フトコロ深さ】 ハリ先と軸を結んだ腰の1番深いところ

ハリ先と軸を結んだ線から一番深いところまでの長さを「フトコロの深さ」と言います。

【西洋バリ】 疑似餌を使うことが多いルアー&フライフック

西洋バリのルアーフックは各部の名称が違った呼び方があります。

ルアーフックの各部の名称の呼び方

【ルアー&フライフック アイ(eye)】 リーダーを結ぶところ

リーダーを結ぶ輪の部分を「アイ(eye)」と言います。

エサバリのチモトや管に相当します。

【ルアー&フライフック シャンク(shank)】 エサバリの軸に相当

エサバリの軸に相当するのが「シャンク(shank)」です。

エサバリではストレートですがルアーフックでは曲がっていることが多いです。

【ルアー&フライフック ベンド(bend)】 曲げ

曲げを「ベンド(bend)」と言います。

先曲がり、腰曲がりという区別はなくまとめてベンドと呼びます。

【ルアー&フライフック バーブ(barb)】 カエシ

カエシを「バーブ(barb)」と言います。

「バーブレスフック」とはこのカエシであるバーブがないハリのことを言います。

キャッチ&リリースを前提とした釣りで魚にできるだけダメージを与えないようにする時に使います。

【ルアー&フライフック ポイント(point)】 ハリ先

ハリ先のことを「ポイント(point)」

【ルアー&フライフック クランク(crank)】 アイ下の2回曲がった部分

上に載せている写真のような形状のオフセットフックではアイの下の2回曲げられた部分を「クランク(crank)」と言います。

【ルアー&フライフック ポイントトゥアイ(point to eye)】 ポイントからアイまでの長さ

ポイントからアイまでの長さを表すのは「ポイント トゥ アイ(point to eye)」と呼びます。

【ルアー&フライフック ギャップ(gap)】 ポイントからシャンク

ポイントからシャンクまでの長さを「ギャップ(gap)」と言い、エサバリのフトコロ幅に相当します。

【現在の釣りバリ】 伊勢尼型・袖型・キツネ型

現代の釣りバリの形状は主に3種類あります。

  • 伊勢尼型
  • 袖型
  • キツネ型

数多くの釣りバリがありますが基本的にはこの3種類がベースとなっています。

それぞれの形状と用途、狙う魚種について解説していきます。

【伊勢尼型】 ほとんどの磯バリに使われている

伊勢尼型のハリ

海での磯バリに顕著でグレ、チヌ、マダイ、イシダイ釣りに使われています。

また淡水ではコイやヘラ(一部)釣りに使われます。

日本での海でのエサ釣りでは一番よく使われるハリの形状ではないでしょうか。

【袖型】 流線バリでカレイやキス

袖型 引用:がまかつ・袖型

流線形のハリでカレイやキス釣りでよく見るハリになります。

ミミズなどをエサにする川釣りから生まれたハリと考えられます。

軸が長いため虫エサが刺しやすく収まりよくエサを弱らせないように細軸が特徴です。

【キツネ型】 アユ友釣り用の掛けバリ

キツネ型 引用:がまかつ・秋田狐

淡水での釣りに多く使われておりアユの友釣り、ウナギ、渓流用のアマゴ釣りに採用される形です。

袖型同様に軸が長く、虫エサを刺すのに向いていますがより口が小さい魚に対して吸い込みを重視したハリになります。

【釣りバリ】 まとめ

小さなアイテムではありますが釣りには欠かすことのできなず、唯一の魚との接点になる釣りバリ。

最後に簡単におさらいをしておきましょう。

釣りバリ まとめ
  • 起源:後期旧石器時代で動物の骨や貝を加工(沖縄で出土した釣りバリが世界最古と言われている)
  • 素材:技術の進歩に合わせて素材が変化していった
  • 各部の名称:釣りバリには各部に釣りバリ特有の名称がついている
  • 形状:伊勢尼型、袖型、キツネ型の3種類

釣りバリへの理解を深めるとさらに釣りが奥深く感じることができ、さらに楽しいものになるんではないでしょうか。

なんとなく使っている今の釣りバリをもっとこだわってみるのも面白いかもしれません。

今回の参考文献 「釣りバリのひみつ」

世界的釣りバリメーカーであるがまかつさん協力のもと様々な面から釣りバリについて解説されています。

釣り人であればちょっとでも興味がある内容かと思います。

ぜひ読んでみてください。

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この記事を書いた人

海釣り、ファッション、グルメ、旅行と多趣味な30代です。
僕がしている全ての趣味のことを書いているブログです。

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